相続 弁護士 大阪の小西法律事務所

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遺言

遺言の方式

自筆証書遺言

ア 総論
自筆証書遺言は、遺言の内容の全文、日付及び氏名を自書するとともに、押印をすることが要件となっています(民法968条1項)。
自書とは、遺言者が自らの手で書くことをいいますが、手が不自由である場合には、足や口で書いた場合も自書となります。
なお、病気や、その他の原因により筆記について他人の補助を要するようになっても、自書能力は失われるものではないとした裁判例があります(最判昭62.10.8判時1258―64.判タ654―128)。
これに対し、代筆によって作成された場合は、遺言者の言葉をいかに正確に筆記したとしても自書とは認められません。また、ワード等の文書作成ソフトで作成された文書や音声を記録したテープ、ビデオについても、遺言者本人が作成したかどうかの判断が困難であるため、自筆証書遺言としては認められません。
この点については、不動産目録を除いて自書でなされた遺言書について、全文自書の要件を充たしていないとして無効とした裁判例があります(東京高判昭59.3.22判時1115号103)。
では、本来自書能力があったものの、病気その他の原因により手が震えるなどして文字を書くことが困難な場合に、他人の添え手による補助を受けて書いた遺言の効力が認められるのでしょうか。
これについて、前掲最判昭62.10.8判時1258―64.判タ654―128は、@遺言者本人が自書能力を有し、A他人の添え手が、始筆もしくは改行にあたり、もしくは字の間配りや行間を整えるため遺言者の手を用紙の正しい位置に導くにとどまるか、または遺言者の手の動きが遺言者の望みにまかされており、単に筆記を容易にするための支えを借りただけであり、かつB添え手をした他人の意思が介入した形跡のないことが筆跡の上で判定できる場合は、例外的に自書の要件をみたすとしました。
イ 作成方法
(ア) 日付
a 年月日
日付の記載は、遺言の成立時期を明確にするために要求されるものですから、年月日を明らかにして、暦上の特定の日を表示しているといえるように記載する必要があります。
なお、日付も自書によることが必要ですから、日付印等を使用した場合には遺言は無効となります。
b 記載場所
日付の記載場所については特に定めがありません。遺言書本体に日付を記載せず、これを封筒に入れた上で、その封筒に日付を自書した事案でも、遺言は有効とされた例があります(福岡高判昭27.2.27)。
ただし、封筒はすりかえられる可能性があること、あるいは少なくとも遺言者の死後にその旨の主張がなされる可能性があることを考慮すれば、遺言書本体の冒頭ないし末尾に記載することが確実だといえます。後述の氏名の記載及び押印の場所についても同じことがいえます。
c 記載すべき日付
ここでいう日付とは、遺言成立の日付を指し、原則として、遺言書の全文を記載した日付を記載する必要があります。
もっとも、全文を自書するのに数日間を要した場合等には、日付の記載をどのようにすべきかが問題となりますが、必ずしも厳格なものではないもで、柔軟に判断がなされています。
d 遺言書が複数枚にわたる場合
遺言書が複数枚にわたる場合でも、その遺言書が1通の遺言書として作成されているときは、日付の自書はそのうちの1枚についてされていれば足り、必ずしも1枚ごとにする必要はありません。
また、遺言者の署名および押印についても同様のことがいえます。
(イ) 氏名の自書
a 必要とされる理由
氏名の自書が要求されるのは、遺言者が誰であるのか明らかにし、その筆跡から遺言が遺言者の意思に基づくものであることを確認するためです。
b 記載方法
氏名は戸籍上の氏名である必要はなく、遺言者が誰であるかについて疑いのない程度の表示があれば良いとされています。そのため、ペンネーム等の通称でも問題はありません(大阪高判昭60.12.11判時1185−115)。
また、氏または名のいずれかだけの自書でも、遺言者と他人とが混同の可能性がない場合には、遺言書が有効となることもあります(大判大4.7.3民録2―1176)。
なお、氏名の記載場所については、制限はありません(ただし、日付の記載場所についての前ページ参照してください)。
(ウ) 押印
a 押印の必要性
日本では、重要な文書は署名ないし記名の後に押印するのが通常であって、押印は、全文の自書等と同様、遺言者の同一性および真意を確保するとともに、これにより文書が完結したことを担保するための要件となります。
b 押印の種類
遺言の押印に用いる印は、実印である必要はなく、いわゆる認印でも構いません。また、場合によっては、拇印ないし指印でも構いません(最判平元・2.16判時13063)。
しかし、栂印ないし指印については、遺言者の死亡後には対照すべき印影がないのが通常なので、紛争を防止する観点からは、極力避けた方がよいといえます。
c 押印場所
押印の場所について民法上規定はありませんが、遺言書自体に署名した上で、その横か下に押印するのが通常です。
d 契印の必要性
遺言書が複数枚にわたる場合、連続した一通の遺言書であることを示すために契印をするのが通常ですが、民法上、遺言の要件として契印を行うことは挙げられていないので、仮に、契印がなかったとしても、遺言の内容、遺言書の体裁からみて、一通の遺言書であると判断できれば、遺言は一個の遺言として有効であると考えられています。
(エ) 加除訂正
a 加除訂正の方法
加除訂正の方法を誤ると、遺言書が無効となりますので、加除訂正をする際は注意が必要です。
遺言書の加除その他の変更の方式は、
  • 遺言者自身によりなされること 、
  • 変更の場所を指示して訂正した旨を付記すること、
  • 付記部分に署名すること、
  • かつ変更の場所に押印すること
です(民法968条2項)。
b 方式違反の効力
上記方式に従わないでした加除訂正は無効であり、その加除訂正はなされなかったものとして扱われます。
この場合には、加除訂正に方式違背があるだけで、当該遺言害全体が当然に無効となるわけではありませんので、加除訂正の前の記載が判読可能であれば、訂正前の文言が記載された遺言として扱われることとなります。

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