相続 弁護士 大阪の小西法律事務所

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遺留分

遺留分減殺請求権の行使

遺留分減殺請求の対象となった贈与・遺贈の目的物が処分された場合

ア 遺留分減殺請求の前に処分された場合
(ア) 価額弁償による遺留分の回復
遺留分減殺請求がされる前に、「減殺を受けるべき受贈者」(民法1040条1項)が第三者に贈与の目的物を譲り渡した場合には、その目的物の返還(現物返還の原則 民法1036条参照)を求めることはできないため、遺留分侵害額を限度とした目的物の価額に相当する金銭を支払うことによって遺留分の回復を実現します(民法1040条1項)。このような遺留分の回復方法を価額弁償といいます。目的物を譲り渡した場合だけでなく、目的物である土地に抵当権を設定したり、借地権を設定したりするなど、他人の権利を設定した場合も価額弁償ができます(民法1040条2項)。なお、この場合の価額弁償の額は、他人の権利の設定によって減少した目的物の価額に相当する金額となります。
また、贈与された目的物だけでなく、遺贈の目的物の処分についても同様に扱われます(最判昭57・3・4民集36・3・241参照)。
(イ) 譲受人に対する返還請求による遺留分の回復
贈与の目的物を譲り受けた人が悪意、すなわち、贈与によって遺留分の侵害が生じることを知っていた場合には、譲り受けた人に対して目的物の返還を求めることができます(民法1040条1項ただし書)。なお、譲り受けた人が悪意であるならば、遺留分権利者としては贈与を受けた人に対する価額弁償を求めるか、贈与の目的物を譲り受けた人に対してその目的物の返還を求めるかを選択することができます。
また、遺留分権利者が遺留分減殺請求をする前に、贈与の目的物を譲り受けた人に対してその目的物の返還を求めた場合であっても、譲り受けた人は現物返還を拒絶して価額弁償をすることができます(民法1041条2項、1項)。
(ウ) 価額弁償の価額
1040条による価額弁償の場合に、目的物の価額を算定する基準は、客観的に相当と認められる処分の額であるとされています(最判平10・3・10民集52・2・319参照)。
イ 遺留分減殺請求の後に処分された場合
遺留分減殺請求の後に贈与の目的物が処分された場合は、1040条1項に基づいて価額弁償を求めることができません。
そこで、遺留分の回復方法としては、贈与・遺贈の目的物の譲受人に対して現物返還を求めるよりほかありませんが、譲受人も有効に目的物の所有権を取得しているとされているので、遺留分権利者の有する所有権と譲受人の有する所有権が対立するという関係が生じてしまいます。1040条が適用されないため、1040条1項ただし書に基づいて譲受人に贈与の無効を主張することもできないので、この対立関係については一般的な所有権に関する規定によって解決されます。こうした所有権の主張が対立する場合においては、登記名義などの対抗要件を先に具えた方が優先するとされています(民法177条、178条)。目的物が不動産である場合、遺留分権利者が減殺請求後の譲受人に対して不動産の返還を求める訴訟を提起したとしても、譲受人が先にその不動産の登記名義を具えていたならば、遺留分権利者の返還請求は認められません(最判昭35・7・19民集14・9・1779参照)。

遺留分減殺請求の相手方の価額弁償権

ア 価額弁償の抗弁
遺留分減殺請求の相手方が目的物を所持しているとしても、相手方はその目的物の価額を弁償することによって返還を免れることができるとされています(民法1041条1項)。これは遺留分減殺請求の相手方が目的物の現物返還と価額弁償のいずれに応じるかを選択することを認めた規定であると解されています。
そのため、遺留分権利者が目的物の返還や登記名義の移転を求めたとしても、相手方が価額弁償をして返還を拒絶すれば(このような相手方の主張を“価額弁償の抗弁”といいます。)、遺留分権利者の請求は認められないことになります。この価額弁償の抗弁が認められるためには、相手方が遺留分権利者に対して現実に価額相当の金銭を支払うか、法務局に供託をするなど支払いと同等の行為をすることが必要であるとされています(最判昭54・7・10民集33・5・562参照)。
このような価額弁償の抗弁が認められた場合、遺留分権利者は現物の返還を求めることができなくなり、代わりに価額弁償を求めることができることになります(最判平20・1・24民集62・1・63参照)。
イ 目的物の価額の評価
目的物の価額を算定する基準は、現実に相手方が弁償した時点での目的物の時価が基準であるとされ、遺留分権利者が価額弁償を求める訴訟において裁判所が支払額を決定する場合では、事実審の口頭弁論終結時の時価が基準となります(最判昭51・8・30民集30・7・768参照)。

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