相続 弁護士 大阪の小西法律事務所

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遺留分

遺留分減殺請求権の行使

遺留分減殺請求権の行使の相手方

減殺請求の相手方は、減殺対象となる遺贈や贈与によって直接に利益を得た受遺者・受贈者、その包括承継人ならびに悪意の特定承継人とされています(民法1040条1項ただし書、2項)。

具体的には贈与を受けた人や、その人の相続人などが該当します。また、悪意の特定承継人としては、被相続人から建物の贈与を受けた人からその建物を買い受けた人であって、その人が買い受ける時に遺留分を侵害するような贈与のあったことを知っていた場合が該当します。

遺留分減殺請求権の行使の方法

ア 遺留分減殺請求権の行使の通知
遺留分減殺請求は、相手方に対する意思表示によって行使できます。裁判所に対する訴えの提起などの裁判所における意思表示でなくても、一般的な通知で構いません(最判昭41・7・14民集20・6・1183参照)。このような遺留分減殺請求権の行使の意思表示は、通知した内容を証明できる内容証明郵便などを用いて行うことが一般的です。
イ 請求の内容
(ア) 現物返還と価額弁償
遺留分減殺請求権の行使にあたっては、単なる通知であれば「遺留分を侵害しているので、(請求の相手方に対して)遺留分の減殺を請求する。」という内容だけで足ります。しかし、訴訟を提起するなど、贈与の目的物を取り戻そうとする場合には、贈与の目的物である財産を特定し、さらにその取り戻しのための具体的な方法を特定した上で減殺を請求する必要があります。
たとえば、減殺対象が建物の全部の贈与であれば、「(相手方が)贈与を受けた建物について、その贈与が遺留分を侵害しているので遺留分の減殺を請求します。よって私に対する建物の所有権移転登記手続をお願いします。」などと具体的に減殺と取り戻しの方法を請求します。
取り戻しの方法は、法律上は贈与・遺贈の目的物の返還を求めることが原則とされていますので(現物返還 民法1036条参照)、土地の明渡しや登記名義の移転を求める方法が原則となります。しかし、遺留分侵害額が小さくて目的物の共有持分相当しか回復されない場合には、現物返還では経済的価値の低い共有状態となってしまい、現実的な解決ができません。そこで、減殺請求以前に目的物が第三者に譲り渡されている場合、又は受贈者が現物の返還でなく金銭の支払による解決に応じる意思表示がある場合には、遺留分権利者は遺留分侵害額を限度とした目的物の価額に相当する金銭の支払を求めることができるとされています(価額弁償 民法1040条1項、1041条1項、最判平20・1・24民集62・1・63参照)。
遺留分権利者がこのような価額弁償を求める場合には、目的物の返還を求める請求はできなくなることに注意が必要です。もっとも、受贈者が金銭の支払による解決に応じる意思表示をした場合では(民法1041条1項)、受贈者の意思表示だけでなく実際に金銭の支払があるまでは遺留分権利者は現物返還を求めることもできるとされています(最判昭54・7・10民集33・5・562)。
(イ) 価額弁償をする場合の価額算定基準
減殺請求以前に目的物が第三者に譲り渡されている場合の価額弁償(民 法1040条1項)では、価額算定の基準は、客観的に相当と認められる譲り渡したときの対価である処分の額であるとされています(最判平10・3・10民集52・2・319参照)。
受贈者が現物の返還でなく金銭の支払による解決に応じる意思表示がある場合の価額弁償(民法1041条1項参照)では、現実に弁償した時点での目的物の時価が基準であるとされ、遺留分権利者が価額弁償を求める訴訟において裁判所が支払額を決定する場合では事実審の口頭弁論終結時の時価が基準となります(最判昭51・8・30民集30・7・768参照)。
ウ 遺留分減殺請求権の行使の期間の制限
遺留分減殺請求権の行使は、遺留分権利者が相続の開始と減殺対象となる遺贈・贈与があったことを知った時から1年以内、相続開始から10年以内にしなければなりません(民法1042条)。
この期間制限は、あくまでも遺留分減殺請求権を行使する期間の制限ですから、一度遺留分減殺請求権を行使して遺留分権利者が相続財産を取り戻す権利、つまり遺留分減殺請求権とは別個の財産の返還を求める権利や登記名義の変更を求める権利を取得すれば、その権利はこの期間制限の対象となりません(最判昭57・3・4民集36・3・241参照)。
(ア) 「知った時から1年間」(民法1042条前段)の短期消滅時効
ここでいう「知った時」から1年間の行使期間の制限は、「時効によって消滅する」とされており(民法1042条前段)、消滅時効(民法144条、166条)であるとされています。
時効とは時間の経過によって法律上の権利が消滅したり発生したりすることを認める制度ですが、時効は当事者が援用しなければ法律上の消滅などの効果が発生しないとされています(民法145条)。そのため、遺留分減殺請求を受けた相手方が援用しないとき、つまり「1年が経過しているから遺留分減殺請求権は消滅している」という主張をしないのであれば、この消滅時効によって遺留分減殺請求権の行使が制限されることはありません。
また、消滅時効には時効の中断(民法147条)や援用権の喪失など、時効の成立を妨げる制度があります。
この1年間という時効の期間の起算点は「贈与又は遺贈があったことを知った時」ですが、最高裁判例によれば「その贈与・遺贈が遺留分を侵害することをも知った」ことまで必要であるとされています(最判昭57・11・12民集36・11・2193参照)。具体的には、被相続人が亡くなって贈与・遺贈がされたことは知っていても、相続財産の全額が不明なために遺留分の侵害があることを知らない場合には、「知った時」とはいえないことになります。また、相続財産の全部が遺贈されたことを知った場合などは、当然に遺留分の侵害が生じているので「知った」と認められますが、その遺贈の意思が表示された遺言が無効であると信じているなどの事情があれば「知った」とは認められないこともあります。
(イ) 「相続開始の時から10年間」(民法1042条後段)の除斥期間
相続開始から10年間という遺留分減殺請求権の行使期間の制限は、一般的な見解は消滅時効ではなく除斥期間と解しています。
除斥期間とは、時効とは異なり援用や中断がないということですので、この期間制限を免れる手段はなく、期間が経過すればそれだけで遺留分減殺請求ができなくなります。

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