相続 弁護士 大阪の小西法律事務所

相続 弁護士 小西法律事務所

コンテンツメニュー

相続人の範囲

例外的に相続人とならない場合―欠格・廃除・相続放棄

廃除

ア 廃除とは
推定相続人の廃除とは、遺留分(被相続人の財産のうち、遺族の一定の者に必ず承継されるべきものとされる一定の割合)を有する推定相続人について、被相続人に対する虐待もしくは重大な侮辱、またはその他の著しい非行がある場合に、被相続人の意思に基づいて、その相続人の相続資格を喪失させる制度です(民法892条、893条)。
廃除の対象となるのは、「遺留分を有する推定相続人」に限られるため、配偶者、子、直系尊属が廃除の対象となります。なお、遺留分を有しない兄弟姉妹は、廃除の対象となりません。
イ 廃除原因
遺留分を有する推定相続人を廃除するためには、廃除される推定相続人に廃除原因があることが必要です。
廃除原因には、以下の2種類があります。
(ア) 被相続人に対する虐待、重大な侮辱(民法892条前段)
被相続人に対する虐待、重大な侮辱の具体例としては、被相続人に対する度重なる暴行、老齢で病床の被相続人に生活費を与えず暴言をはく行為などがこれにあたります。
裁判例には、被相続人に対する虐待、重大な侮辱には、被相続人に対し精神的苦痛を与えまたはその名誉を棄損する行為であって、それにより被相続人と当該相続人との家族的共同生活関係が破壊され、その修復を著しく困難にする行為も含まれるとして、小学校から高校まで非行を繰り返した娘が、暴力団員と婚姻し、父母が当該婚姻に反対していることを知りながら、披露宴の招待状に父の名を印刷し、その知人らに送付した行為が重大な侮辱にあたるとしたものもあります(東京高裁平成4年12月11日判決)。
(イ) 被相続人に対する虐待、重大な侮辱以外の著しい非行(民法892条後段)
被相続人に対する著しい非行の具体例としては、多額または度重なる借金などの返済を被相続人にさせたり、被相続人の財産を無断で担保に入れたりなど、被相続人が経済的・精神的被害を受けている場合などがこれにあたります。
民法892条後段にいう「著しい非行」を認め、廃除原因があるとした近年の審判例としては、以下のようなものがあります。
a 福島家裁平成19年10月31日審判
被相続人の遺言執行者が長男の廃除を申し立てた事案で、家庭裁判所は、被相続人が70歳を超えた高齢であり、身体障害者1級の認定を受けて介護が必要な状態であったにもかかわらず、母親である被相続人の介護を事実上妻に任せたまま行方をくらまし、その後父親から相続した田畑を被相続人や親族らに知らせないまま売却し、妻と調停離婚後も、被相続人や子らに対して自ら所在を明らかにしたり扶養料を支払うことがなかったという長男の行為について、悪意の遺棄に該当するとともに民法892条後段の「著しい非行」に該当するとしました。
b 京都家裁平成20年2月2日審判
被相続人が生前に、長男の廃除を申し立てた事案で、家庭裁判所は、長男が窃盗等を繰り返して何度も服役し、現在(審判当時)も常習累犯窃盗罪(盗犯等の防止及処分に関する法律3条)で懲役刑に処せられ在監中であり、このほか交通事故を繰り返したり、借金を重ねたりしながら、賠償や返済をほとんど行わず、これにより申立人をして被害者らへの謝罪と被害弁償や借金返済等に努めさせた結果、申立人に多大の精神的苦痛と多額の経済的負担を強いてきたことが明らかであるとして、申立人に対する「著しい非行」があったとしました。
c 神戸家裁伊丹支部平成20年10月17日審判
被相続人の遺言執行者が、長男の廃除を申し立てた事案で、ギャンブルや女性との交際費などで借金を重ね、被相続人に2000万円以上を返済させたり、その過程で相手方の債権者が被相続人宅に押しかけるといった事態も生じ、さらに長男は被相続人から勘当されたにもかかわらず、再び借金を重ねて破産、免責の決定を受けたほか、破産、免責決定後も、被相続人に再び金の無心をしたという事情の下で、家庭裁判所は、被相続人を約20年間にわたり経済的、精神的に苦しめてきた相手方の行為は、客観的かつ社会通念に照らし、相手方の遺留分を否定することが正当であると判断される程度に重大なものであって、民法892条後段の「著しい非行」に該当すると判断しました。
ウ 廃除の方法
(ア) 生前廃除
生前廃除とは、被相続人が、生前に遺留分を有する推定相続人を相手方として、家庭裁判所に対し、当該推定相続人の廃除を求める調停または審判を申し立てる方法のことをいいます(民法892条)。
審判の申立てがされると、家庭裁判所が、職権で廃除原因があるかどうかを調査し、被相続人側が当該相続人を許しているか、当該相続人側が改心しているかなど、諸般の事情を総合的に考慮して、廃除することが相当であるかどうかを判断します。
改正前の家事事件手続法では、生前廃除は調停によることも可能でしたが、改正後の家事事件手続法(平成25年1月1日施行)では、生前廃除は調停をすることができない事項とされています(家事事件手続法244条、別表第1の86項)。
(イ) 遺言による推定相続人の廃除
遺言による推定相続人の廃除とは、被相続人が、遺言で推定相続人の廃除の意思表示をし、被相続人の死亡後、遺言執行者が当該相続人の廃除を求める調停または審判を家庭裁判所に申し立てる方法のことをいいます(民法893条)。
生前廃除の場合と同様に、改正前の家事事件手続法では、遺言による推定相続人の廃除も調停によることが可能でしたが、改正後の家事事件手続法(平成25年1月1日施行)では、遺言による推定相続人の廃除も、調停することができない事項とされました(家事事件手続法244条、別表第1の86項)。
エ 廃除の効果
被廃除者は、廃除により、被相続人に対する相続資格を喪失します。その結果、被廃除者は、遺留分も剥奪されることになります。
この相続資格喪失の効果は、廃除を求める審判が確定してはじめて発生します。なお、遺言廃除の場合、相続開始時に遡ってその効力を生じます(民893条後段)。
廃除の効果は、被廃除者と被相続人との間でのみ、相対的に生じます。そのため、被廃除者は、被相続人以外の親族との関係では、相続資格を失いません。たとえば、父親との関係で廃除されたとしても、兄弟の相続人となることについては影響を与えないということになります。
また、推定相続人の廃除は、被相続人の意思に基づくものですから、被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができます(民法894条)。
オ 廃除と代襲相続の関係
廃除によって相続権を失ったことも代襲原因となりますので、被廃除者が廃除により相続資格を失っても、被廃除者の子は、代襲相続により相続人の地位を得ることができます(民法887条2項、同条3項、889条2項)。

無料法律相談お申込み

CONTACT

小西法律事務所

KONISHI LAW OFFICE

〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満3-13-18【MAP】 島根ビル4F (1F:ミスタードーナツ)
地下鉄 堺筋線・谷町線南森町駅2番出口を出て阪神高速高架をくぐり徒歩5分
京阪本線北浜駅26番出口京阪中之島線なにわ橋駅3番出口を出て、難波橋を渡り徒歩6分
JR東西線大阪天満宮駅3号出口を出て、阪神高速高架をくぐり徒歩 6分
  • 弁護士を大阪でお探しなら
  • 公正証書遺言
  • 成年後見 大阪
  • 交通事故 弁護士
  • 離婚 弁護士
  • 寄与分