相続 弁護士 大阪の小西法律事務所

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相続人の範囲

例外的に相続人とならない場合―欠格・廃除・相続放棄

相続人となりえるかどうかは、被相続人との身分関係に応じて定められるのが原則です(民法886条以下)。

しかし、身分関係上相続人になりえるとしても、被相続人と相続人の関係次第によっては、相続資格を認めるべきではないと思われる場合もあります。そのような場合に備えて民法は、相続人の相続権を奪う制度として、相続欠格の制度(民法891条)と廃除の制度(民法892条)を用意しています。

また、相続人自ら被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継することを拒否する相続の放棄も認められています。

相続欠格

ア 相続欠格とは
相続欠格とは、欠格事由に該当する場合、法律上当然に相続人の相続権を奪う制度です。
イ 相続欠格事由
(ア) 相続欠格事由の類型
相続欠格事由は、民法891条で定められています。
相続欠格事由を大きく分けると、被相続人等の生命侵害に関する事由(1号・2号)と、被相続人の遺言行為に関する事由(3号〜5号) の2種類が定められています。
それでは、以下で各々の欠格事由について説明します。
(イ) 民法891条1号
「故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にあるものを死亡するに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者」
「死亡するに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者」には、殺人の既遂罪(刑法199条)だけでなく、未遂罪(刑法203条)・予備罪(刑法201条)の犯人も含まれますが、故意犯であることが必要ですので、過失致死罪(刑法210条)・傷害致死罪(刑法205条)は含まれません。
また、刑に処せられたことが必要ですので、正当防衛(刑法36条1項)や責任無能力を理由に不処罰とされた場合も含まれません。
なお、刑の執行が、相続開始後になったとしても、相続欠格の効果は遡り、相続開始の時から相続欠格者であったとして扱われます。
(ウ) 民法891条2号
「被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、または告訴しなかった者(その者に是非の弁別がないとき、または殺害者が自己の配偶者もしくは直系尊属であった場合を除く)」
(エ) 民法891条3号
「詐欺または脅迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、または変更することを妨げた者」
(オ) 民法891条4号
「詐欺または脅迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、または変更させた者」
(カ) 民法891条5号
「相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、または隠匿した者」
相続欠格事由の中で最も問題となりやすいのは、この民法891条5号の該当性であり、実際に問題となった事例としては次のようなものがあります。
a 相続に関して不当な利益を得る目的がない場合
相続に関して不当な利益を得る目的がない場合にまで、相続資格を失わせるという厳しい制裁を課す必要はないことから、相続人が被相続人の遺言書を破棄または隠匿した行為が、相続に関して不当な利益を目的とするものでなかったときは、その相続人は、民法891条5号の相続欠格者にはあたらないとした判例があります(最高裁平成9年1月28日判決)。
b 自筆証書遺言の方式を調える行為
遺言書が自筆証書遺言(遺言の全文、作成の日付、氏名を遺言者が自署し、署名の下に押印するという形式の遺言)としての方式を欠くために無効である場合に、相続人の一人がその方式を具備させることで有効な遺言書としての外形を作出する行為について、これは民法891条5号にいう「偽造」または「変造」にあたるとしつつ、それが、遺言者である被相続人の意思を実現させるためにその形式を調える趣旨で行われたにすぎないときには、相続欠格者にはあたらないとした判例があります(最高裁昭和56年4月3日判決)。
c 公正証書遺言の正本の存在と内容を告げなかった行為
父を被相続人、妻と子4名を相続人とする場合に、公正証書遺言(証人2人の立会いの上、遺言の内容を公証人に口授し、これを公証人が筆記し、これを公証人が遺言者に読み聞かせまたは閲覧させた後、遺言者、証人が各自署名押印するという形式の遺言)の保管を託された子が、その公正証書遺言の存在を姉に告げなかったものの、妹に対してはその存在と内容を告げており、妻もその存在や内容を把握することができたという事案において、これは遺言書の発見を妨げるものということはできず、民法891条5号にいう「隠匿」にあたらないとした判例があります(最高裁平成6年12月16日判決)。
d 自分に有利な内容と確信できなかった遺言書の隠匿行為
遺言書を保管していた相続人が、遺言書の記載内容が自分に有利なものであると確信できなかったことから遺言書を隠匿していたという事案において、実際の遺言内容が、遺言保管者の相続人に有利なものであり、被相続人の最終的な処分意思を害したものとはいえないから、相続法上不当な利益を得る目的に出たものといえず、民法891条5号にいう「隠匿」にあたらないとした裁判例があります(大阪高裁平成13年2月27日判決)。
ウ 相続欠格と代襲相続の関係
被相続人の子、および被相続人の兄弟姉妹の子が、相続欠格事由に該当することは、代襲原因となりますので、相続欠格者に子や孫などの直系卑属がいる場合には、代襲相続により、相続欠格者に代わってその子らが相続人となります(民法887条2項、同条3項、889条2項)。
エ 相続欠格の主張方法
被相続人との関係で相続欠格該当事由があれば、特段の手続を要さず、法律上当然に相続資格を失うことになります。
ただし、相続登記との関係では、登記申請の際に、相続欠格事由の存在を証明する必要があります。そのため、相続欠格者の証明書(相続欠格者本人が作成する相続欠格事由の存在を自認する書面。印鑑証明書の添付が必要。)、または確定判決の謄本を添付する必要が生じます。
相続欠格事由に該当するかどうかについて争いがある場合には、相続人全員が裁判の当事者となって、相続権不存在確認請求訴訟を提起することになります(最高裁平成16年7月6日判決)。

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